第38回日本靴医学会学術集会

ごあいさつ


第38回日本靴医学会学術集会 会長
阿部 薫
新潟医療福祉大学 教授

 日本靴医学会は「靴の医学的知識と技術の進歩、普及をはかり、学術文化の向上に寄与すること」を目的として1987年(昭和62年)に創立され、輝かしい歴史を有します。事業としては年1回の学術集会の開催と、年2回の学会誌「靴の医学」を発行しています。

 この度、最大の事業である学術集会を担当させていただくことなり、第38回日本靴医学会学術集会を2024年8月31日(土)~9月1日(日)の2日間、新潟県新潟市で開催するべく、関係者一同、鋭意準備を進めております。

 これまでの学術集会の会長はすべて医師の先生方が担当されました。医学会ですので当然ですが、私は義肢装具士であり初の非医師の学術集会会長となるため、あらゆる面で不安でした。しかし歴代の学術集会会長の先生方から懇切丁寧なご指導を賜り、不安も和らぎモチベーションが上がりました。心から感謝申し上げます。

 本学術集会のテーマを「靴医学を取り巻く関連分野の連携」とさせていただきました。本学会は医師をはじめとした医療関係者、製造・流通・販売、教育・研究、福祉・介護・保育など、多職種の会員により構成されています。靴医学の問題は、医師に加えて関係分野の専門家が連携して取り組むことにより、一層効果的に解決へと向かっていくことでしょう。したがってご講演いただく先生方の職種は、バリエーションに富んだ構成にしたいと思っています。

 私は義肢装具の臨床を経て、19年前に現職となりました。研究関係では、学部生や大学院生が自分のやりたい研究ができるようにサポートするのが私の仕事です。新潟医療福祉大学では研究活動が単位になる「研究プロジェクト演習」という科目が1年生から4年生まで配置されています。これは卒業研究とは別物です。毎年の学術集会でも新潟の学生たちが発表させていただいておりますが、その中には院生だけではなく学部1~2年生も頑張っています。若いうちから研究に慣れ親しみ、研究の苦しさと楽しさを経験し、そのまま大学院に進学する人も少なくありません。阿部研究室では「足・靴・歩行」のキーワードに導かれるテーマを中心として研究に取り組んでいます。今後も多くの学生や院生が発表していく予定ですので、厳しいご指導と温かい激励をお願い申し上げます。なお本学術集会のスタッフは学生や院生も担当いたします。発表経験だけではなく、運営側の経験も併せて「学会」を堪能できるチャンスと期待しています。

 新潟は山海の恵みが豊富で地産地消を特徴とする食文化があります。ブランド米のコシヒカリと、県内90の酒蔵で醸される日本酒が自慢です。学会会期中は靴医学の話題を肴に盛り上がりたいと思います。

 何分不慣れな故、行き届かないところも多くあろうかと存じますが、スタッフ一丸となって頑張りますので、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。