この度、第23回日本医療情報学会看護学術大会を長崎で開催する運びとなりました。
2020年来、日本国内のみならず全世界的にCOVID-19との戦いが続いています。
この戦いは、いまだ終息の目途が見えません。しかし、多くの方々がそれぞれの立場で最善を尽し、現在も様々な活動を続けています。
医療分野においては、基礎研究分野のみならず臨床現場においてもワクチンや検査方法、治療方法の開発が進んできています。
このような不確実で変動する社会情勢の中、学会を開催するにあたり、様々な思いを込めて「未来へつなげる看護情報」を大会テーマといたしました。
近い将来、私たちが歩んだCOVID-19との戦いは、未来の医療・看護現場の礎となり、さらなる知見へと昇華していくことでしょう。その第1歩が長崎から発信できることを切に期待しています。
さて、本学会テーマには、過去、現在、未来をつなぐという意味も含まれています。
長崎は、2021年に長崎港開港450周年を迎えましたが、それよりも古い時代から大陸との交流拠点として発展してきました。遣唐使派遣の時代を経て、天正遣欧使節団の若者4名がバチカンを目指し長崎を出発、8年後に帰国しましたが、ヨーロッパに日本と日本人を知らしめた大いなる冒険の旅を成し遂げました。鎖国時代にあっても、世界との繋がりを保ちながら文化の発信拠点として栄えてきましたが、華やかな歴史の中にもキリシタン弾圧など悲しい歴史を持つ都市でもあります。また、1945年原子爆弾による壊滅的な被災を経験しました。
しかし、悲しく苦しい経験を新たな知恵と勇気に変えた様々な方々の尽力により、今の長崎があります。
ぜひ、来年長崎へお越しいただき、「和華蘭文化」を肌で体験いただけることを願っております。そして、次世代へつながる情報発信の場として、皆様のご期待に沿えるよう努めてまいります。
第23回日本医療情報学会看護学術大会
大会長 岡田みずほ(岩手県立大学)